2019年6月14日金曜日

イン川、マイン川自転車旅行概略ルート

青色が自転車コース、赤色は電車での移動
 
 フランクフルトからスイスのサンモリッツに電車移動、高度1800mから高度300mのPASSAUまで約550kmのINN川沿いのイン川自転車道、「INN-RADWEG」を走るのが前半戦

 前半戦は決めていたが体調が今一つすぐれず、後半はどこを走るか決めないで出発した。
結局、後半戦はドイツのBayreuthまで電車で移動しマイン川沿いに「MAIN-RADWEG」をフランクフルトまで走ることにした。

全走行距離1030kmの記録(青色・・自転車走行、赤色電車移動)



 起立性低血圧のような症状、階段を上がると息切れし頭に血が上がらないような症状 、風呂上がりに気持ち悪くなり倒れそうになる。自転車でちょっとした坂が上れず気持ち悪くなる。こんな症状があり内科でいろいろ調べてもらったが心臓の機能を含め異常はないとのこと。なぜだと問えば年齢的なものだというようなことを言う。

 体に少しの負荷がかかった時に、それに耐えて体を正常に制御するFEEDBACK機能がやや衰えてきたようだ。負荷がかかった時、心臓の出力を上げて対応しなければならない訳だが心臓に異常がないとすれば、指示制御系統が心臓に正しい指示を出せない、つまり自律神経系統(?)が衰えてきたということなのか。

    出発前に自宅近くの牧之原台地に毎日のように出かけトレーニングをしてきたわけだが、ほんの少しの坂が上れない。自転車を降りて休みながら登るしかない訳だ。また以前ほどパワーを出して自転車も漕げない。
   こんなことで後半戦は、より起伏の少ないと思われたマイン川ルートなら平坦でいいのではないかという事になったわけだ。

1日目 5月21日 羽田→フランクフルト

  フランクフルトには夕刻に着きたかったので必然的に朝の8時過ぎの日本発になり羽田近くに前泊した。夕食はしばらく日本食にはありつけないので、すし屋に行こうと決めていた。しかしこの日は一斉休業日のようですし屋があちこち閉まっている。結局ようやく見つけた回転ずしのようなところで小さなネタが乗った寿司を食べた。

   自転車の運搬についてもミスをしてしまった。いつもは段ボールに入れて事前に空港まで運搬してもらうわけだが、うっかりして運送屋の手配が1日遅れになってしまい、当日の朝までに空港に送ることが出来ないというので、輪行バッグで飛行機に載せることになってしまった。

オストリッチの袋に入れて空港まで運搬






羽田空港でラッピングをしてもらった。1500円 

 航空会社は中国国際航空、自転車などの荷物は有料。海外自転車旅行は数えてみたら11回目になるが、今回初めて有料で11,100円となった。有料か無料かをいつも調べるのだけど航空券が少し安かったのでまあいいかという事になった。帰りも同じ値段だという。
   しかしこの輪行バックでの輸送が、後ほど大きな問題になった。
フランクフルトのホテルで開梱し自転車を組み立てようとしたが組み立てできない。フレームが曲がってしまったようだ。
   また日本に帰国した後にも組み立てて、調べてみると今度はギアのシフトができない。
原因はクランクの付いている50歯の大きなギアが曲がって回転させると振れているのである。また、フレームも自分で万力に加えて修正しようとしたが、素人では余計に悪くしてしまったようだ。
結局近くの自転車店に持ち込むことになった。修理見積もりは35,000円也。

    直行便ならいざ知らず、中国での乗り換えの便での輪行バックでの輸送は非常に危険である。どこの航空会社を使うにしても中国国内での輪行バック乗り換えはしない方がいいと思う。私の場合行きの便だけでなく、帰りの便でもダメージを受けたのである。あるいは梱包に相当注意を払う必要があるだろう。とにかく空港内の荷物を取り扱う会社の扱いがFRAGILEの札など見ていないという事になる。ヨーロッパや日本と根本的に違うという事だ。

    いままで日本国内での航空便輸送はすべて輪行バックだがたいへん丁寧に取り扱ってくれた。海外では危ないと思いあまり輪行バックは使っていないが、過去には台湾への運搬、ヨーロッパではヘルシンキ乗り換えを経験したが、往復とも問題はなかった。




もう一つの大きな問題

 フランクフルト空港に着いて自転車が出てくるのを待っていたが、一向に出てこない。調べてもらったら荷物は北京にあるという。積み忘れたという事だ。次の日の午後に滞在しているホテルに届けてくれるというが、それでは遅いし、明日の朝の便で到着するというので、仕方ないので自分で空港まで出向き自分で取りに行くことにした。

 Fragile扱いの自転車が行きも帰りも傷つけられているし、荷物の行き先制御もいい加減。北京の空港の荷物の取り扱い会社のでたらめさが手に取るように分かった。
 荷物取り扱いの会社は中国の空港ではたぶん大手が独占的にやっていると思われるので中国のどの空港もたぶん同じ。空港だけでなく一般の宅配もたぶん同じであろう。
十数年前中国に赴任した時サービスの悪さに閉口したことがあったが発展を伝えられる今もまだまだだなーという感じだ。

走行距離   0km
宿泊先   Mercure Hotel Airport

2日目 5月22日 フランクフルト滞在



  朝8時に空港に自転車を取りに行く。手荷物を受け取るコンベアがあるところの入り方が分からず右往左往する。通常は飛行機を降りて入国審査が終われば容易にコンベアのところに行けるわけだが、外部からは簡単には入れないようで、入るには特別なドアから入れさせてもらうのである。



 ホテルまで運搬し組み立てを始めるが、自転車の後輪が組み立て出来ない。
ディレイラーを取り付けるフレームが曲がってしまっているようで、後輪の軸が写真の部分に収まらない。(写真ははまった状態で、事前に撮った写真)
ディレイラーは取り外していったので問題はなかった。
四苦八苦してみたが最終的には自分では組み立てができないと判断した。


 
 ホテルでタクシーを手配し自転車店を聞いて修理に行くが1軒目は修理をやっていないとのこと。2軒目を指示し、修理してもらう。ドライバーのようなものでこじ開けて無理やり入れたようだ。ギアのシフトの調整もしてもらう。いい人でお金は受け取ってくれなかった。
ただし帰国時に軸がはまり込んでいて今度は分解するのが大変だった。

タクシー代が高くなってしまったが、結局フランクフルト中央駅までタクシーで乗り付けた。

ここからもう一つ問題が発生。
 駅で切符を購入しようとしたが、自転車の予約がしてないので自転車の乗れる電車だと到着が遅く目的地に着くのは夜8時過ぎなってしまう。ホテルの予約をしてあれば構わないんだけど、あいにくホテルは予約してない。何とかなるだろうと乗り継ぎで行く切符を購入してプラットホームに行くが、一発目の電車が来ない。どうも40分遅れだとの表示が出た。これでは乗り継ぎできない。結局切符はキャンセルし翌日の切符を予約した。

 どうも距離間隔が分からなかったのだがフランクフルトからスイス・サンモリッツまではずいぶん時間がかかるようである。翌日の切符でも出発が8時20分、到着が17時(3回乗り換え)となってしまう。サンモリッツは田舎でチューリッヒからが時間がかかる。事前に日本で予約していけばいいのかも知れなかったが今回のように自転車のトラブルがあるとそれもだめだ。
 
まだ昼過ぎだというのにフランクフルト中央駅近くのホテルに泊まることにした。



  夜、ホテル前の四川料理屋で干遍四季豆を食べる。からさ抑えめで頼んだけどかなり辛く汗をたっぷりかく。しかし山椒もきいておいしくご飯がすすんだ。

走行距離 0km
宿泊先  Pearl Hotel (フランクフルト中央駅徒歩10分)

3日目 5月23日 フランクフルト→サンモリッツ

今日は完全に移動のみの日


昨日、一昨日といろいろ問題があったが今日は問題ないことを祈る。



フランクフルト中央駅、サンモリッツのホテルも昨晩予約済



自分の自転車を積み込んだら


後から電動バイクで乗り込んできた人が場所を開けてくださいという。
どうも自転車の指定予約席があるようだ。私のは自由席らしい。


3回乗り換えでサンモリッツに着いた.
気付いたことだがChurからサンモリッツに行くときに乗るベルニナ線だけど進行方向右側の席に座った方が窓からの眺めがいい。もっともベルニナの指定席の豪華列車で行く場合で、普通電車では乗客は本当に少なく適宜左右に席を移動できるのであまり気にすることはない。(昨年も含め普通電車に3回乗ったことになるがいずれの場合もがらがらにすいていた。) 窓のあかない豪華列車よりも暑ければ窓を開けることのできる普通列車の方が自由に景色を眺めることが出来断然いいと思うがどうだろうか。


 サンモリッツはまだ日光が当たり、意外と寒くなくスーパーで購入してきた食材でホテル(民泊?)前の庭で食事


走行距離 ほとんど0km
宿泊先  Chesa Albris Bed & Breakfast (St.Moritz)

4日目 5月24日 St.Moritz→Nauders

   ここまでいろいろトラブルがあり手間取ってしまったがようやく前半戦の走行スタートラインまできた。
前半はイン川沿いを走る。イン川(Inn River)は源流部がスイス・サンモリッツあたりでスイス、オーストリアのチロル地方、そしてドイツの3ヶ国にわたって流れる川で、ドイツ・パッサウでドナウ川に合流する。源流部のサンモリッツからドイツ・パッサウまでの550kmの走行だ。

前半のコース


 標高差はサンモリッツ1800m、インスブルック600mなので200kmちょっとで1200m下る。これは上り坂が体にきつい僕にはうってつけ、途中にある300mくらいの登りは迂回する。

そしてインスブルックからPASSAUまでは300km超で300mの下り。ほぼ平坦ルートだ。



それでは出発!


初日のコース


走り出し初日の日、果たして体が言うことを聞いてくれるかが心配だ。
晴れ渡り気温も低くなく、快適な朝だ。サンモリッツ湖を回り込んで出発



周りの山々は雪をかぶって青空に映えている。



明日はオーストリアに入るので、きょう1日だけだけどスイスではこの65番のルートを進むようだ。






観光大国のスイスではなんと車いすのルートも整備されているようだ。



快適に道はすすむ。


マウンテンバイク、ローラースケートのコースもあるようだ。


前方からローラースケートの授業らしい生徒が走ってきた。



 自転車道のコースどおりに走ったら山腹の悪路に入った。林の中で見晴らしも悪く、多少の上り下りもあり持病が出て、やや苦戦。日陰では雪が出てきて突っ込んだら転んでしまった。好き好きあるかと思うけどbikelane社のInn-Radweg1の地図でSchanf、Zernezの間は北向きの斜面で見晴らしもなく、村落もないので、自動車道を走った方がいいと思う。
自動車道は車も少ないし見晴らし良く当然道もいいのだ。



崖のところで道をふさいだ倒木を避けて回り込んだら下に鉄道が見えた。そこへちょうど電車が来た。景色が開けてよかったのはここだけだ。
谷を挟んで向こう側に自動車道が見える。

次のLavinからScuolまではbikelineの自転車道の案内では谷の南向き斜面を走ることになりおそらく美しい村落があり見晴らしもいいと思う。しかし合わせて400m以上の登りがあり、その後あわせて600mの急な下り坂という事で、私の体ではもたないと思い当初予定どおり下の車道を走った。



さわやかなサイクリング日和だ。 






 今日は周辺に宿泊場所が少ないので、事前に日本からネットで予約しておいたアパートにチェックイン。場所はスイスとオーストリアの境でオーストリアに300m位入った所。
管理人はおらずメールでフクロウの中に鍵を入れておくよとの連絡があった。何のことかと思っていたが、来てみるとフクロウの置物が玄関先に置いてあった。



3人位が泊まれる広いアパートで値段も高かった。この近くにはスーパーがなかったので20km位手前で食材(いつもそうだがワインとビールとつまみ)を手に入れてきた。

走行距離  84km
宿泊先   Dreiländereck (アパート)

5日目 5月25日 Nauders→Silz






昨晩宿泊したアパートを後に出発



イン川、日陰にはまだ雪が残っている




午前中は晴れで気持ちよく走る。




こんな感じの装飾が軒にぶら下がっている



村の水飲み場。チロルの村々は味わいがあり本当に落ち着いている。



家の壁に描かれた屋号?



牧草地に咲く春の花と残雪をかぶった山



チロルの小さな村をぬいながら、草原地帯 を快適に走る。



子供が乗馬の訓練を受けていた。



イン川にかかる木造の橋



きれいな牧草地と作業小屋。日本の田舎も好きだけど、ここにはちょこまか動き回る軽トラがいない。



向こうからサイクリストがやってきた。



イン川でカヌー、雪解け水で冷たいに違いない。


チロルの村々はやはり期待通りでサイクリングには快適だ



今日はSILZという町でフィニッシュ。

走行距離 95km
宿泊先  GASTHOF LOWEN

6日目 5月26日 Silz→Brixlegg





昨日宿泊したGasthof Lowenは安くて朝食付きで53ユーロ
家も昔ながらの作りで味わいがあった。部屋から見たホテルの庭。

今日もいい天気だ。あまり晴れてしまうと暑いし、青空がのぞいているくらいがちょうどいい。



自転車道の案内看板
INN RADWEGとGUNUSS RADWEGの2つの自転車道が並行して走っている。
最寄りの駅も表示されている。日本の自転車走行環境では考えられない。
インスブルックに近づいてきた。


村のお地蔵さん


母親との自転車散歩


行きかうサイクリスト








INN川を渡る橋
今日は日曜ほんとにたくさんのサイクリストに出会った。たぶんすれ違った人。追い抜いて行った人合わせて1000人はいたと思う。





今宵のホテルは飛び込みで72ユーロ


 日曜はスーパーが開いていないのでホテルのレストランで食べることにしたが何を食べていいのかわからないので事前にネットで調べて食べれそうなチロル料理を紙に書いて示したが、ないという。逆においしいのがあるからそれを食べなさいと言われ、勧められるまま注文をした。牛肉のステーキである。魚なら何でもいいという魚派の私にとり、この種の肉料理は自分からは好んで食べないし、ステーキ類は多分10年以上食べたことのない料理である。チロル服を着た女主人(?)がおいしいでしょと何回か聞いてくるので、おいしいと答えざるを得なかった。

走行距離  96km
宿泊先   GASTHOF Herrnhaus